リカバリーは、日本語では一般に「回復」と訳されます。
精神保健福祉の分野では、このリカバリーについて、さまざまな定義が示されてきました。
たとえば、
「病気によってもたらされるさまざまな制約があったとしても、満足のいく、希望に満ちた、何かに貢献できる人生を歩む生き方」
あるいは、
「精神疾患の影響を乗り越えた人が、自分の人生に新たな意味や目的を見いだしていくこと」¹⁾
と表現されています。
一方で近年、リカバリーという言葉が、薬物療法や治療効果の指標として誤って用いられてしまうことへの懸念も指摘されています²⁾。
こうした背景から、リカバリーの本来の意味である個人的で全人的な回復を指す言葉として「パーソナルリカバリー」という考え方が用いられるようになりました。
あわせて、
・症状の軽減や疾患としての回復を指す「クリニカルリカバリー」
・社会的な役割やスキルの回復を指す「ソーシャルリカバリー」
といった区別もなされるようになっています³ ⁴⁾。
なお、リカバリーについては、
国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 地域精神保健・法制度研究部の解説も参考になります。
https://www.ncnp.go.jp/nimh/chiiki/about/recovery.html
参考文献
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Anthony WA. Recovery from mental illness: the guiding vision of the mental health service system in the 1990s. Psychosoc Rehabil J, 1993.
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Slade M, Amering M, Farkas M, et al. Uses and abuses of recovery. World Psychiatry, 2014.
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Lloyd C, Waghorn G, Williams PL. Conceptualising recovery in mental health rehabilitation. Br J Occup Ther, 2008.
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Slade M, Amering M, Oades L. Recovery: an international perspective. Epidemiol Psychiatr Sci, 2008.